美しい馬の地

舞城王太郎の『短編五芒星』

 

『美しい馬の地』だけしか読んでない。

『美しい馬の地』は2回目だ。1回目に読んだときと印象が違った。

 

1回目は後藤の流産への執着に興味を持ち、後藤の周りの人たちの怒りや批判に振り回されてまともに読めていなかった。無意味なものに執着することへの共感と、それが執着を持ってはいけないものだという批判に動揺した。

 

2回目(今回)はいい感じに地の文に集中できた。精神状態が良いのだろうか。

無意味なものに執着する「衝動」、これが生きる中で出会う人・モノへの好き・嫌いから遍く当てはまることがらで、そこに意味なんてないのだとすとんと悟るのが印象的。

意味がないものに怒っても仕方がないのに、それが分からずに怒りを他者に向けてしまう後藤。「ジャッジマン(笑)」のような振る舞い。独善の果てに、何の意味もないことを悟る夜明け。

執着への共感と、なんか無性にほっとするような脱力感。そう、周りがなんと言っても読み手のわたしは流産を知らない後藤と同じ立ち位置で、素直に読めば同じように動揺しながらも落としどころにたどり着く。

 

読み直してよかったな。