『空の境界』 殺人考察(上) ネタバレしかない

いそいそと取り掛かってしまうよ第2章。

週1でいいやと昨日は思った気がしたけど、考察したあと早くもっと知りたくて止まらないやつだった。

 

高校時代の式と黒桐の話。殺したのか、殺していないのか?

 

★人物の情報

解離性同一性障害で、生まれつき女の「式」と男の「織」との2つの人格を持つ。主導権は「式」が握る。

「式」は肯定する存在、「織」は否定する存在、とのこと。(これが難しいのでもうひとつ)

式の人間嫌いは、生まれながらにして他者の内面を知っている状況に置かれていたため。

「織」は式の表に出したくない抑圧した欲望を実現させてしまう。これまでは式が他者と関わらず強い感情を持つことがなかったので、2人が同時に存在することに特に問題はなかった。

黒桐が式に関わるようになり、式が黒桐を気に入ってしまったため、式は初めて他者と向き合うことになり、暴力的な人格を抱えた自分の異常さを強く意識する。

式は自分を保つためにこれまでの織との共存を維持することを願っている。黒桐はそれを妨害するので、織が排除しようとする。黒桐が妨害になるのは、式が黒桐と同じ側になれないことに葛藤しているからで、本来の願いは黒桐と一緒に生きることができれば、になりそうだけど、叶わないことに強い葛藤がある。

血の匂いに酔ってしまうようで、実際に殺人を犯しているかどうかは判然としない。

死を目の当たりにすることで生きている実感を得るという描写はある。眠りにつく前から生の実感は薄い?

(家のこと・高校生)後継者が解離性同一性障害を抱えていて、それは呪いとも呼ばれている。月に1回真剣で師範代である父親と稽古をする。兄がいる。管理人の秋隆氏とは日常的に関わる描写があり、式が黒桐の歌っていた歌を確認するなど、ある程度気安い間柄のような描写がある。周りを竹林で囲まれた広大な敷地の武家屋敷に住んでいる。先祖は指南役を呼ぶのを面倒くさがり我流で剣を極めたとか。

 

黒桐

式に惚れ込んでいる。どこか遠くを見ている目に惹かれた、傷ついてしまいそうで目が離せない、といった描写がある。死体と式のあり様を目の当たりにしたことで、そういう印象が確信に変わったのか?より一層惚れ込んでいる。

入学式の前に織と出会っている。

式が人を殺さないと確信を持っている。死体と式を目の当たりにして、自分が殺されかけてもなおそういった確信を持っている黒桐は、狂気的というべきなのかとても冷静な観察眼を持っているというべきなのか、実は結構常軌を逸している印象を受ける。

(家のこと・高校生)家令という言葉を知っていたことから、式にいいとこの坊ちゃんであることが推測されている。夜の11時まで先輩と話していたり、毎晩明け方まで式の家に見張に来ていたりしているが、黒桐の家族に関する描写は今のところ無い。小学校からの屈強そうだけど気のいい友人はいる。年上の女子にもてる。

 

先輩?青年(同一かと推測)

学校での式への意味深な発言といい、式の家の最寄駅で黒桐と遭遇し、その日式の家の前で死体が発見されたことといい、不審なことには違いない。

少なくとも、式が死体のある現場に現れていることを知っている。4回はやりすぎ、とは、式が殺していると考えているとも取れる。

やりたいことが見つかったといい、学校をやめる。

 

★気になるところ

式は殺したのか?殺してないのか?

(殺してない説)

現場での決定的な殺人描写がなく式の記憶があいまいなことと、黒桐に襲いかかった時の得物がナイフだったこと。ナイフじゃ死体を損壊できないんじゃないかなと。あるいは、黒桐を殺す気が無いだけなのか。

それでも死体に生を感じるという描写は確かで、死に瀕して生を感じるというのは1章の霧江さんと通じるものがある…他人の死体だけど。

(殺した説)

凶暴な衝動を持って、夜見かけた人物に近づいていく描写がある。本人が殺人衝動を持っていると語る。殺害された直後の死体のそばに毎回佇んでいる。式が眠っている期間事件は起きていない。

式がつけていく夜の歩行者が犯人なら、殺害直後に死体のそばに居合わせるのも納得する。最初の現場はホームレスが寝ている場所で、被害者がその人なら路地に先に入って行ったのは犯人…。黒桐の従兄弟本当に優秀なんじゃないかな。発言はアレだけど。

式が殺してた場合、黒桐が何を思うのかがとても興味深いです。

 

式のビフォーアフター

眠りにつく以前の式は、人嫌いで2つの人格を持ち、均衡が崩れて壊れそうな危機的状況にあった。

目覚めた後の式は、この眠りにつく前の式の記憶が自分のものだという実感が持てない。オレって言ってるから織なのか?でもコクトーってかつての織の呼び方には嫌悪感を覚えている。

そもそも自己の意識が危うい感じだった式だけど、今の式はそうした葛藤を理解できない状況にあるのか。第1章で人格が2つあるようには描写してなかったから、今はどちらでもなくなってしまったのか。第3の人格ってこと?過去の自分に恋しているとまで言っていた今の式は、その葛藤すら恋しいということなのか。ううん、待て次回だね。

 

黒桐の執心

黒桐が他人に関心のない式に関わろうとして、遠くを見ているような目に惹かれて、死体と式を目撃して自分が殺されかけてもなお式は殺していないと信じている、この狂気的な執心がひじょーに興味深い。この執着に式は救われるんだろうけど、黒桐には何かがある。それは多分、人形ひとつで橙子さんの事務所までたどり着いたその執着と関連していて、何かに呼ばれてる人、なんだろうな。

 

★所感

この2人の高校の関わりってこれが全期間なんだろうが、大学の話ができるような空気感なのかな?織と話したのかな。いつ約束したんだろう。

ボーイミーツガールの感を深めた第2章、重ければ重いほど絆が尊いのは定石ですけど、重すぎると闇落ちしちゃうチキンレース。殺してたらアウト、殺してなかったらセーフだなあ。

第1章は最後まで式男の子だと思って読んでたから、式と黒桐の関係性に萌えてしまいああ私の脳がやっぱり腐っていると思ってたので、女の子だって明かされてやったぜ公式CP!と嬉しくなってしまったんだけど、安易には油断できないなあ。今のところ何が飛び出すか分からない。注意深く観察していきたい所存。