神様になった日 全話視聴した感想※ネタバレ注意

Twitterだとネタバレしちゃうから!

うわあああああああああああああっっって気持ちです。

 

いや、なんだこれ。

いやいやいや、なんだこれ。

麻枝准麻枝准麻枝准

底知れない…なんだこのストーリーテラー…。

 

アニメで「世界が終わる」って言われたら、超常現象が起きて本当に終わると思ってた。

央人が出てきて天才同士の電脳戦でも始まるのかと思ってた。

はじまりは、1人の天才博士が孫娘を想う気持ちだったらしい(と言うにはリスクが大きすぎる贈り物だったわけだが、それだけのリスクを負わないとひと夏の奇跡はなし得なかったのだろう)。

そして博士が孫娘に贈ったひと夏の奇跡が、出会いをもたらし、未来を創ったと。

 

7話までの、央人の動きが気になりながらもハラハラドキドキ大笑いして時々泣ける夏の毎日の描写で既に圧巻だったのに(3回くらい最終回なかった?)。

麻雀回楽しかったな…。

バイクからトラックに飛び移るのも青春だったし…。

伊座並父子のビデオレター号泣待ったなし…。

 

で、8話。

職場の昼休みに自分の車で弁当食らいながら流してた第8話。

海っていうのはなんか、大事な話しに来るところなんかな…海回って意外と重要よな。そんな海回。

ひなには生まれつき重度の障害があり、家族は苦しみ絶望してばらばらになったと。

なんだか超越した力を持ってるけど、目の前で怒ったり笑ったり犬と戯れてる彼女が。

突然そんなことを言われても陽太が父親のそんな複雑な心境を理解できるはずもなく…でも引っかかる。視聴者も引っかかる。

そう、今のひなは何かの拍子に「壊れて」(この表現は正しくない気がしている)しまうかもしれないものなのだと、何かの奇跡が起きているのだと、この回で我々は知ってしまう。

いやでも、世界終わるんでしょ?

ひながどうかなる前に世界終わるんでしょ??

 

そして9話。

央人の過去が少しだけ回想。この子も色々あった…大人がだいぶくずばっかり。幸せになってくれ…。

ひなの頭の中に博士の晩年の研究成果、ナノなコンピュータ(的なもの)が入っていることが明らかになる。

それを危険と見做して、ひなのことを何も知らない大人たちがひなの頭から祖父の贈り物を取り除くことを決定していく。にくい…大人がにくい…。

陽太がひなに好きだと言ったけど、家族のようにかけがえのない存在って意味の好きならこの展開で腑に落ちる。ひと月だけど寝食共にして四六時中一緒にいたからね…この人たちは。失うとなった時の恐怖はいかばかりか。大人がにくい…。伊座並さんへの好きは、憧れみたいなものだったのかなあ。ひなへの好きと伊座並さんへの好きは別物かなと思っているけど、どちらにも軽重はないと思う。

 

10話。ひなのいない秋が来て、冬が来る。

陽太ひとりでもひなを探し続けただろうけど、それで物語はお終いだった。央人がいなければ。

おそらく探し出せず、会えもしないところにひなは居た。他ならぬ央人がひなを見つけ、暴き、それを悔いたから罪滅ぼしにやってきた。しかし央人がいなければひなは暴かれなかったのだろうか?央人がいなくても時間の問題だっただろうか。

ひなは満足したように諦めていたが。どんな胸中で神様の最後の日を迎えたのだろう。

陽太はこの世の果てみたいなサナトリウムで、ひなと再会する。陽太と目を合わせない、認識もしない、大きな声でパニックを起こす、神様じゃないひなと。

 

11話。サナトリウムでひなと過ごす陽太。

サナトリウムとかコロニーとか、施設があることは知ってても、そこの住人や暮らしや働いている人について知る機会はなかなか無い。アニメで描かれることはなお稀なのでは?

一介の高校生に過ぎないはずの陽太が、感情も抑えて、一心にひなを想って、ひなの信頼を勝ち得たくて、ひたすら不毛にも、ちっとも前進していないようにも思える時間を過ごす。ここ。ここです。ここがすごいと思うの。

だって人と人とが信頼を結んでいく繊細微妙すぎる日々を描写していくのだから。施設の職員さんの厳しさも生々しく…毎日関わって大事にしているからこその厳しさだ…。でも揺れてるんだよな、陽太の想いに。ひなの微かな反応も大切に見逃さない職員さんだから、陽太の想いも拾い上げてしまう。

2週間に満たない日々は短過ぎたかも、でも記憶の欠片でもひなの中に残っていた、それを信じた陽太が、最後にひなに手を取らせた。12話。

高校生では力及ばずで、その道に進んでアメリカまで迎えにいく展開も想像してたけど…ひなは帰ってきた。

 

さて、果たして、自分の大切な人がそうなった時に自分は陽太のようになれるだろうか。ひなの父親のように絶望するだろうか。

というとんでもなく頭を抱えたくなるような命題を突きつけてくるのだ。このアニメは。

ちなみに福祉テキストを詰め込んでいる人的には、障がい者の生活を施設から地域へ、という現在の潮流を踏まえて、その一番幸福な形を示してんなと思ったりもした。理想的。

 

果たして現実は皆無関心がひどいし、簡単には変わらないだろうけど。でもこのアニメ見た人はその都度ちょっと思い出す。ピンクの髪の女の子のこと。人と人が何度でも出会えること、信頼し合えることを、ちょっとだけ信じようと思えるような作品だった。

 

これは、誰かの心を揺らして、誰かの世界をちょっとだけ広げる物語だなあ。書かずにいられない。