空の境界上下読了。つぶやきたい。※ネタバレる

5章のボリュームがすごすぎてまとめる気力がないまま最後まで読んでしまった。この後未来福音が待ってる。多分再読もする。映画も観る。

 

章ごとに頭切り替えて読まないといけないくらい濃密だったので、読むのに時間がかかった。

7、8章読んだ。7章短いかと思ったら、内容濃い!ページ数に詐欺みを感じる。

 

7章

2人とも死んでしまうかと思った。それもいいかと思う自分もいた。7章のふたりはあまりに苦しかったから。こんなに苦しいなら死んで解放される美しい結末もいい、と思った。

作者は生かした。ふたりは死なずに、日常に帰る。

 

8章

観念的な対話で、難しい。初読で脳に引っかかったところを。

根元の渦=シキの肉体に宿る人格=『』(虚無)と対談する幹也。肉体が精神を育む、脳だけじゃコンピューターと同じだと。

特別であろうとする普通の人々と、元々普通であろうとする幹也と。普通であるが故に気に留められることもない、意識されることもない。「幸せ」な人物が本当に孤独なのではないか?と。

問われながらも幹也はいつもどおり、曖昧に微笑んで二度と会うこともないだろうシキと別れる。

 

初読の感想としては、すごく当たり前のことを読者に突きつけて、物語は終わったように思う。

いわく、人はいかにしても孤独だと。

特別であろうとしても、普通であろうとしても。

不安で寂しくて揺らぎがちな存在であると。

それでも誰かと日々を生きていこうと思うのはなぜなんだろう。この物語の結末は、それでもふたりは一緒に生きていくのである。

 

特別で普通なふたりだ。

特異な生まれと力を持ち、殺人衝動を抱えた式と、普通であることに一切の抵抗を見せない、それが普通ではない幹也と。

触れがたい式に幹也が触れ、見つけがたい幹也を式が見つけた。そんなロマンチックな話であったりもする。運命てき。

 

人は不安定で揺らぎがちで、だからこそ他人を求めるのだろう。ひとりで完全でありたいと願いながら、歪む人間もいれば、他人に救われることもある。

そんな大仰な話じゃなくても、日々をまともに生きていく理由が1人じゃ見つけられなくても、誰かがその理由になることもある、なんて、優しい結末。

 

ああ、空の境界本編。子供たちの成長は早い。

すぐに過ぎ去ってしまう一瞬だからこそ、たとえその一瞬が落ちてても病んでても尊い

式がひとりの人間として、歩き出すまでのお話であり。「普通」の幹也が見つけたたったひとりに手を伸ばし続けるお話でもある。

「普通」ってなんだろうって首を傾げてしまうけど。8章のニュアンスだと特別になろうとしないって意味合いを感じたけど。特別ってなんだろう。みんなに認められること?結局8章で語られた通り、誰もが唯一の存在なのだけれど。

この言葉の解釈がぴんときてなくて、もう一回読みたいんだけどまた…次の休みだ…。

分からないなりに普通で幸せな人間が最も孤独なのではないかという問いかけは刺さった。けどこれだって、特別になりたくて争ってる人たちも、結局孤独なのではないかとか思ったりして。人間所詮みんな一人ぼっちかよとやさぐれながら8章を読み終えてはたと、じゃあ作者が式と幹也を繋いだのはなぜ?って考えると私の8章の解釈がずれてるんだなと思って。

7章で生死をかけて死戦をくぐり抜けてようやく手を取り合えたあまりに不器用な子どもたちを見せ、8章で存在の孤独を語られたら狐につままれたような顔をしてしまうよ。でも共存している、しかし孤独であるというあり方はリアルな気もして。

どれだけ親しい人とも分かり合えなかったり、分かってもらえなくても良かったりする部分も持っているのが人間で、それを孤独と呼んでもいいけど、それでも別に全てを分かりあわなくても思い合っていれば日々は居心地よく流れていくような気もして。

 

人と関わるって難しいよなあ…。

1話読むごとに色々考えちゃうからお腹いっぱいになる作品でした。でも大満足。もう一回読もう。