小話 リテイク2

何か打ち明け話をする時なんかに、学校の屋上というチョイスは悪くない。こんな状況じゃなければ。

「クラス替えしたら、お前と離れ離れになって友達がいないぼっちになってそしたら俺は学校に来れなくなるかもしれない。そして引きこもり、将来に絶望して死ぬかもしれない。」

「え、クラス替えが、なんだって!?」

何せ救急車と消防車がひっきりなしに眼下の街を往復している上に、上空では報道のヘリコプターが飛び回っている。今したい話があるなら屋上を選ぶべきではない。

「話すんなら!中入るぞ!」

突如地面に大穴が開き、何千、いやもう何万人かの人が呑み込まれるという事象が多発している。その大穴がついさっき、学校の近くに開いた。巻き込まれなかったのは運が良かったとしか言いようがない。

「なーんて昨日まで考えてたんだけどさ、引きこもる家が無くなったわ、俺」

大穴を虚に見つめる友人に、ああこいつの家はあの辺りだったかとようやく思い至って唇を噛んだ。家族も、巻き込まれたのだろうか。現状じゃ何も分からないし、俺が今聞くべきことじゃない。

「…」

「…」

それでただ、横に突っ立って穴を見ていた。