小話 リテイク3

何もかもを放り出したくなるような、晴れ渡った暖かい春の午後に、私は受けるべき授業を放り出して屋上で昼寝をすることにした。こんなに晴れ渡った日に昼寝をしなくていつ昼寝をするのか。

屋上には先客がいたが、こちらに気付いていないようなので目につかないところで昼寝の体勢を整えるのに特に支障はなかった。

「クラス替えしたら君と離れ離れになって友達がいないぼっちになって僕は学校に来れなくなるかもしれない。そして引きこもり、将来に絶望して死ぬかもしれない。」

ええー、何か始まっちゃったよ。クラス替えで死をちらつかせるんじゃないよ、愛が重いよ。友達困るだろうが。

「そんなこと考えていられるのは、今が平和だからだよ。明日警察に捕まってみ?君の今のセリフも戻らない平穏な日常の1ページになるだろうよ」

友達雑!たとえが大雑把すぎる!

「えー、そんなこと言う?」

「だって本当だもん。僕らにできることは、法律と他人を尊ぶくらいだよ。天変地異が起きてから、しょーもないことで悩んでたなあって後悔しても遅いんだから。享受しようぜ、平穏をさ」

いや友達よ、でっかい風呂敷でなんでもかんでも包み込んでみましたみたいな。

「待てよじゃあ僕の悩みももうちょっと尊んでくれよ」

だよねー。

「尊んでんじゃん、大事な友人が無駄な時間を過ごさないようにって心尽くしの助言だろ」

「ええー…まあ、いいか」

いいんかい!君それで丸め込まれていいんかい!まあ君がいいならいいと思うけど。

それにしても今日は昼寝日和だ。私も平穏とやらを享受しておくことにしよう。