miroirs感想 ※内容の感想もあり

約束のネバーランドで有名な白井カイウ先生×出水ぽすか先生の最新作。

 

発売前から出てたカバーイラストが魅力的すぎて…購入。モノトーンのワンピースの凛とした女性が大きな黒いキャンバスに金色の絵具で街の風景を描いているというビジュアル。

繊細な線で描かれた細腕の女性なのに、パレットと筆を構える姿がなんだか力強い。そして細い筆から描かれる大都会(せかい)←とか言いたくなる感じなんですわ。

タイトルのエンボス加工(でいいのかな、凸凹した加工)。艶やかな黒と金色の彩色。ちょっといい買い物をするような気分に誘われる装丁でした。

 

miroirsは「鏡」を意味するそうで…本作はシャネルとのコラボ。創業者ガブリエル・シャネルの生き様と哲学に着想を得て、現代日本を舞台に描かれる3作の短編。

 

・魔女

ハサミの魔女さんがうーんと魅力的。

不思議の国のアリスのような、シンデレラのようなお伽話ぽさもありながら、少女がこれから生きていく世界がなによりもたのしいのよと背中を押して送り出すような。

 

・嘘つき

お嬢様然としたメイクで仕上げてお出かけするヒロインの横に大きなライオンを描くというなんとも力強い表紙。

ヒロインはお化粧上手でいろんな姿になれるんだけど、みんな見せかけの(武装したというか)彼女しか見ていなくて、別の姿ですれ違っても気づかない、それが当たり前だった…けれども。

割り切るのも、気づいて欲しいと願うのも、どちらの彼女もかっこよくてかわいい人なのでした。

 

・カラス

これはちょっと考えさせられたな…男の子の方が男らしさを求められて息苦しい時代だと。なるほどなあ。万年スーツは肩凝りそう。なんか別にいいじゃんね、主夫でもスカートでもさ。男の人の方が厳しいのかなあ。ズボンしか履かない女、スカートしか履かない男、上等じゃないか。その辺ゆるくなればいいのに。わりかし性別とか邪魔くさくて、その人だからいいんだってどうして分からないんだ?私がおかしいのか?動物的に考えたら性別って大事だもんな、むむむ…。

変だとかおかしいとか違うとか他人が言うこっちゃないね。好きにさせてってば。

そんな息苦しいの壁をひとつぶちやぶる、晴れやかなお話。

 

とにかくお話も絵も珠玉。

カラーイラスト、カラーページもふんだん。

特別な一冊ですねえ。