島の夢をみる

のんきなもので、私は船着場の待合所にいた。喫茶コーナーみたいなところで、終わってない課題を片付けている。気まぐれにお土産屋さんを覗くと、小さいボールを転がして占うおもちゃのミニチュアが販売されていて、あ、それいいな、と思う。

「…ちゃん、何見てるの?」

「うん、占いのおもちゃがいいなって」

「えー、そうー?」

友達としゃべりながら、喫茶コーナーを出て、迎えに来てくれたミニバンに乗って宿に向かう。モルタル塗りのような建物で、おしゃれな保養所のような趣がある宿だ。

「あ、携帯の充電器忘れた」

「今売店で700円くらいで買えるよ」

「うっそ、やっす」

宿の周りを散歩して回る。海はすぐ近くにあって、海上タクシーのような船が停まっている。遊覧、1周1000円。ためらわずに乗り込んだ。

大きなエンジン音を立てて、海を割って船は走っていく。遊覧のイメージよりは随分速いような気がするけど、散らされた海が飛沫になって浴びせかかってくる。高かった陽は、次第に傾いて夕焼けの様相になっていく。ばしゃばしゃと音を立てながら、元の港に戻ってきた。来た時と戻る時とで、港が別の場所みたいに見えるのが不思議だ。

「来てよかったねえ」

「ほんとにねえ」

夕焼けが夜に呑まれていく。島に静かな夜が来る。